ゴーゴー幽霊船の考察Part7
前回はBメロ、幽霊船とは何か?善いも悪いもないのは何故か?を書きました。長々と続いたAメロBメロ編、今回からサビに入る訳ですが、今回も2パートに分けて書きます。
1番サビ編その1
"電光版の言葉になれそれゆけ微かな言葉捜せ"
ここで出てくる電光版は、普通に考えで良いだろう。まぁ看板やCMといったものか。電光版の言葉になれとは、「もっと常識的に生きようよ」と言っているのだろう。流行りに乗れ、と言っているのと同義だ。
微かな言葉とはなんだろうか?言葉とは所謂"ラベル"だ。例えばコップ。コップとは、"液体を入れて口にするために使われる道具"というような意味を持っているが、これが"液体の薬品を入れる道具"に変わるとビーカーやフラスコと名前が変わる。他にも"液体が漏れでないように蓋の着いたクビレのある液体を入れる道具"と言えば瓶やペットボトルとなる。同じ液体を入れる道具でも、名前(=言葉=ラベル)は変わってしまう。つまりは、微かな言葉とは着飾るためのラベル(=ブランド)と解釈することができる。幽霊たちは、空っぽな自分を隠すためにちっぽけなラベルを探している。
"沿線上の扉壊せ見えない僕を信じてくれ"
沿線とは、線路や道路沿いの場所のこと。つまりここでは、常識と非常識の境目のこと。アンドロイドは常識側、セブンティーンは非常識側にいる訳だが、その間にある扉を壊せと言っている。つまり、やはり「常識的に生きようよ」と言っているのだ。
見えない僕を信じてくれとは、幽霊(常識や依存心まみれ)のアンドロイドの言葉、つまりは常識を信じてくれ、僕の言ってることは正しいんだから!と言っているのだ(空っぽな彼は何を根拠にそう言っているのだろうか)。
夢を見るセブンティーンにとっては、いい迷惑だろう。
と、今回はここまで。前回のBメロ編もそうだが、しっかりと読んでくださったか方ならこの短い考察でも、この曲が既に現代社会を風刺しているものと感じるのではないだろうか。かく言う私も根っからのアンドロイドだったわけだが……まぁ、それはまた別の話。
次回はサビその2です。
引用元
youtube https://youtu.be/2PqxOytUjz0
アルバム「diorama」歌詞カード、作詞作曲:米津玄師